がん治療を経験された方が、診断直後の気持ちをこんな風にお話されることがあります。
「診断直後って、自分が何に悩んでいるのか、何がわからないのかも分からない状態です。
たくさんの『え?こんなときはどうすればいいの?』ってことが、実際の優先順位に関係なく走馬灯のように、もしくは、新幹線の中のニュース表示のように頭の中を流れるんです。」
今まさに、あなた自身も「仕事はもう続けられないだろう」「お金はどうしよう」「子どものことはどうしたらいいのか?」と様々な心配ごとが頭のなかを駆け巡っている状況かもしれません。
今のあなたに伝えたいのは、「あわてないで」ということです。
がんの治療は、がんの部位によって方法も期間も、副作用も異なります。これまでの生活になかった「治療を受ける」ことで、どんな風に生活や仕事に変化が生じるのか、まずは情報を得ていきましょう。
病気や治療に関する情報を提供してくれる人、相談できる人は主治医だけではありません。
治療を経験した患者さん、病院のがん相談支援センターのソーシャルワーカーや看護師、会社の上司など、あなたを応援したいと願っている人がたくさんいます。
「人に頼るなんて・・」「誰かに相談するなんて」と遠慮しないでください。身体や心のパワーが落ちているときはお互い様です。これまで、誰かに頼りにされてあなたが手を差し伸べたことがあるでしょう。今は、あなたが誰かに頼っていいときです。
このノートは、あなたが上手に応援隊を増やして、よりよい社会生活が送れることを願い作成しました。少しずつ読み進めて、お役立ていただければと思います。
「仕事とがん治療の両立 お役立ちノート」
作成グループ一同