働く世代のあなたに仕事とがん治療の両立お役立ちノート 働く世代のあなたに仕事とがん治療の両立お役立ちノート 働く世代のあなたに仕事とがん治療の両立お役立ちノート 働く世代のあなたに仕事とがん治療の両立お役立ちノート

 

働くあなたへ

Sceneシーン 05 自分自身の身体や心のメンテナンスも大切に

復職後、体調はいかがでしょうか。
「思った以上に体力が落ちていて驚いた」、「自宅での生活では気がつかなかったけれども、集中力が落ちていてショックを受けた」など、ご自身でも初めて気がつくこともあったかもしれません。
職場への復帰は、仕事と治療の両立のゴールではなく、通過地点です。
まずは1週間あるいは1か月程度、仕事に取り組む中で聞こえてくる、ご自身の身体と心の声に耳を傾けつつ、定期的に上司や産業保健スタッフとコミュニケーションをとってみましょう。
復職前に取り決めた働き方を変更してはいけない、ということはありません。
上司や産業保健スタッフとの話し合いのもと、会社内の制度を上手に活用しながら、徐々に元のペースで働けるよう工夫してみてください。

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1 職場に確認してみましょう

通勤による負担軽減のために出勤時間をずらす必要がある場合などに備えて、下記のような休暇制度、勤務制度を設けている職場もあります。ご自身の職場の設置状況を確認してみるとよいでしょう。

休暇制度

  • 本来、年次有給休暇は1日単位の付与ですが、時間単位で付与している職場もあります。
  • 年次有給休暇とは別に付与されている制度です。取得条件は職場ごとに異なります。

ピアサポートの力

がん体験者やその家族との交流の場2013年に患者さんを対象に実施された調査で、がん患者さんの心の苦悩に関して、患者さん自身が求める情報や支援の1位は「体験談、同病者との交流」であったことが報告されました。(2013年静岡がんセンター実態調査報告) 患者さんからのニーズも高まる中で、現在、全国のがん診療連携拠点病院では、その地域の患者会の方、ピアサポーターの方と協働して、病院内で患者サロンを開催したり、地域のサロンを紹介したりすることが増えてきています。 患者会や患者サロンの場で、他の患者さんの歩みを聞きながら、自分自身が歩んできた人生を振り返ること、これからの自分の新たな生き方を模索すること、そのプロセスや共感こそが、がんに支配されない、あなたらしい明日への一歩を踏みだす力になることでしょう。また、あなたとの出会った誰かが、あなたとの交流で力を得ることもあります。

勤務制度

  • 始業や終業の時間を変更することにより、身体に負担のかかる通勤時間帯を避けて通勤することが可能になります。
  • 育児、介護休業法に基づく短時間勤務制度とは別に、病気療養中・後の負担を軽減することを目的として、一定の労働時間を短縮する制度です。
  • パソコン等を活用して、自宅で勤務することにより、通勤による身体への負担を軽減することを目的とした制度です。
  • 長期間にわたり休業していた従業員に対し、勤務時間や勤務日数を短縮した形で試し出勤を行う制度です。試し出勤をしながら、復職時の勤務体制について話し合いを行うことが可能となります。

2 心のメンテナンス

初回の治療後に自分のペースでの仕事を取り戻すには、少なくとも半年から1年はかかると言われています。
ただ多くの方が、「1日も早く復帰を」と希望し、復職後に「これまで普通にできたことができなくなっている」とショックを受けたり、時には、周囲からの疎外感を感じるほどつらさを感じる方もいらっしゃるようです。
こういったときには、身体への負担軽減を検討するのと同じくらい、ご自身のストレスに目を向けることも大切になります。ストレスの原因をなくすことは難しいかもしれませんが、ストレスが過剰にならないように上手にコントロールすることは可能です。
以下のことを参考にしならが、上手に向き合ってみてください。

どのようなことにストレスを感じやすいですか

ストレスを感じたときに、どのような反応を起こしやすいでしょうか

これまで、ストレスをどのように解消してきましたか?

いくつかの対処法を持つとよいでしょう

一人だけで対処する必要はありません。必要に応じて、病院の精神医や臨床心理士、がん専門相談員を活用することも可能ですし、同じ体験をした患者さんの集まりで体験を共有することが力になることもあります。
もともとご自身がお持ちの対処方法だけでは解決が難しい場合は、病院や地域の第3者に支援を求めることも一つの方法です。お住まいの近くにある、患者会やメンタルサポートの専門職については、がん相談支援センターが情報を持っています。遠慮なくお聞きください。

あなたが持ち合わせている対処法を確認してみましょう

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